物事を「やるな」と禁止されると、何故だか「ついやってしまう」。
これをカリギュラ効果、または心理的反発という。
この厄介な心理作用に一定の効果を見込める対処法を思いついたので私見をまとめてみる。
カリギュラ効果とは?
禁止されるとかえって禁じられたその行為への関心などが強くなってしまう現象。「やるな」と言われるとついついやってしまう類。
1980年公開の米伊合作映画「カリギュラ」は過激な場面が多く、上映地域を制限されたが、そのことでかえって人々の興味を引いたことから。────デジタル大辞泉「カリギュラ効果」の解説より
何故、禁じられると人は「ついやってしまう」のか?
端的にいうと、潜在意識──私達の脳や心や魂などの深い部分──は否定形を理解出来ないからだ。
よって「禁止や否定形」を使わずに済むのなら使わないに越した事はない。
どうしても禁じなければならない時は……
禁止するのをなるべく禁じても禁止でしか伝えられない概念はありえる。
潜在意識にとって禁止や否定形は肯定を促す傾向が強い。ならばどうするか?
物事を単一で禁じるのは効果が低いし逆効果にすらなりうる。
ならば二重に禁じれば単一で禁止するよりは禁止を全うしやすくなるのではないか。
負の数同士の積が正になるように。
責任ありきの自由
禁止を失敗させにくくする為には禁じる者と禁じられる者が双方とも自由な事が大前提である。
自由とは誰もが勝手気侭にする事ではない。何よりもまず自己責任を果たしてから禁じる自由を行使すべきだ。
禁止を失敗させにくくする為の二重否定は順番を守って、自己責任により練り上げられた土台の上に成り立たねばならない。
三段階の禁止
- 「してはいけない・されてもいけない」
- 「してはいけない・させてもいけない」
- 「させてはいけない・されてもいけない」
一、二段階目に共通している「(自分は)してはいけない」という自己責任を
全うしていないのに三段階目にばかり重心が偏重してしまいやすい事には特に注意したい。
他人には「させてはいけない」し、他人から「されてはいけない」と
他人の自由を制限する事ばかりに躍起になって(だから自分はしてもいい)と
自己責任を果たしていない人のなんと多い事か。
そういうのは自由とは言わない。放恣や放埒や放縦というのだ。
三段目の「させてはいけない・されてもいけない」というのは
有事や乱世の考え方なのでしないで済むのならしないに越した事はない。
平時や治世、私達が常日頃謳歌するこの平和な社会で認めざるを得ないとしたら、
それは正当防衛のような極限状態での例外として扱わなければならない。
私達の幸福や成熟の礎になる事を願って 枕本より
参考文献・使用素材等
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